日本で唯一3種類(盲導犬、介助犬、聴導犬)の補助犬を育成および認定できる団体です
聴導犬になる犬は、人と一緒にユーザーも犬も快適に暮らすことの出来る犬であること、社会性の求められる場面で適切な行動が出来ることは補助犬全てに共通しています。
候補犬の選抜方法は3つあります。
1.聴導犬に向く犬を自家繁殖して、パピー・ファミリーと呼ばれるボランティアの元で1歳まで育てて頂きます。この間、当協会訓練センター等で行われる「しつけ教室」や担当職員による「自宅訪問」の指導により、子犬は人の社会で生活するマナーを身につけます。
2.捨てられた犬を動物愛護センターから引き取り、訓練します。その際、良き家庭犬のテストと音反応テストを行い、聴導犬に向く犬を選抜します。
3.耳の不自由な方が既に飼育をしているペットを訓練します。聴導犬を希望する方から「飼い犬を聴導犬に訓練してほしい」と相談された際は、その犬が聴導犬に向くかどうかを判断するために、良き家庭犬のテストと音反応テストを行い、判断します。
候補犬は、座れ・待てなどの基本訓練の他、商業施設等での社会化訓練、レストランでの飲食訓練、電車・バスなどの乗り物訓練、飼い主が必要とする音を知らせる聴導訓練を約10ヶ月間勉強します。
基本訓練・社会化訓練・聴導動作訓練が終了した犬は、いよいよ将来の主人となる耳の不自由な方との合同訓練に入ります。聴導犬の合同訓練は、訓練センターの宿泊施設と希望者のご自宅の両方で実施されます。この合同訓練期間中に、犬の飼育方法(食事・トイレ・手入れの世話等)や犬とのコミュニケーションの取り方を勉強しながら、実生活の中で聴導犬が音を知らせる訓練を行います。
合同訓練終了後、ユーザーと候補犬は、厚生労働大臣が認めた指定法人(当協会)で認定試験を受けます。
合同訓練が終わり、耳の不自由な方に渡って初めて聴導犬が誕生します。そして、卒業してからの1年間が、ユーザーと聴導犬にとって、とても大切な期間になります。ユーザーも聴導犬も初めての事ばかりで戸惑うことがたくさんあります。色々なことを経験しながら少しずつ時間をかけお互いの信頼関係を築いていきます。この期間協会職員は、定期的に自宅を訪問し、よりスムーズに新しい生活が送れるようサポートします。聴導犬として活動出来る期間は、2歳から10歳までの約8年間です。犬の年齢で10歳は、人に換算すると約60歳ぐらいです。
10歳を過ぎた聴導犬は引退し、引退犬ボランティアのもとで余生を送ります。
引退犬ボランティアには、一般の家庭のほか、ユーザーが引き続き飼育する場合や、仔犬の頃育ててもらった元パピー・ファミリーの家庭で余生を送る場合もあります。
聴導犬として多く使われている小型犬の寿命は、15歳から17歳程ですが、引退した聴導犬達も寿命は変わりません。