日本で唯一3種類(盲導犬、介助犬、聴導犬)の補助犬を育成および認定できる団体です
身体が不自由といった場合、全身のことを指しますが、ここでは介助犬の役割と関連した手足と体幹の不自由さについて説明します。
一言で身体が不自由といっても、日常生活への影響は多種多様です。想像してみてください。手が使えない場合でも片手だけの時と両手の時、日常生活で出来ることはどれほど違うでしょうか?
福祉機器や補装具の発達で、仮に両足が使えないとしても一人で出来ることはたくさんあります。
例えば、専用に改良した自動車を運転することが出来ることもあります。けれど、駐車場で車椅子を横に付けてドアを開けたまま運転席に乗り降りするスペースがなければ、実際には使えません。
車椅子での生活は、環境や建物がアクセスに適しているかどうかで制限を受けます。エレベーターのない所では車椅子使用者はとても不自由ですが、段差がなくバリアフリーな環境では自由に動き回ることが出来ます。ちょっとした高さであれば、周囲の人たちのサポートで解消されることもあります。このように、不自由さは、人々の暮らす社会のハードの部分、ソフトの部分から生じることも少なくはないのです。
それからもう一つ、介助犬の役割として重要になってくることがあります。それは、ちょっとした事柄でも随分労力を費やさなければならなかったり、一見大したことがないように見えても、その人には出来ないことなどです。
例えば、ベッドの上で電話をしていて、それを落としてしまったとします。車椅子に乗り移り、そこまで行って拾い上げて、またベッドに乗り移るという作業工程を考えてみてください。こういう時は介助犬が役割を果たします。
身体が不自由なのは、人目に分かりやすいと言いますが、具体的にその人にとって何が出来て何の手助けが必要なのかは、分かりにくいものです。
介助犬を連れている場合は、出来るだけそっと見守っていて欲しいのですが、温かくイメージを働かせることで、身体に機能不全があっても、より自由に暮らしていける社会を創っていくことに繋がるのではないでしょうか。